第五六節 「我と他」
成長は一人で出来るものではない。
我だけで切磋琢磨しようとも、結果は井の中の蛙でしかない。
他というものさしで、我を測ることで我という存在を確認する。
我だけで我自身に向き合おうとしても、我によって霞がかる。
他という存在に映し出すことで、我自身に初めて向き合え、存在意義を確認する。
我だけで生きていくことは出来ない。
他に助けられ、他に触れることで孤独を知り、つながりを知る。
我だけで・・・
人は、「我欲」なるものを必ずしも持っている。
我欲を持つことが決して悪いことではない。
しかし、我欲のみでは何も生まれない。
我のみに目を向け続けることで、狭い世界を生み出してしまう。
他を直視し、他の意味を知り、他と触れることで我の世界は無限に広がる。
我の中にある無限の可能性に気づくだろう。
我を捨て、他を知る。
他を知り、我を得る。
我を本当に知った者は我を捨てる。
そして、他に目を向ける。
他を知り、存在を認めた先に我に戻る。
その時、我の存在は意味を持ち、かけがえのないものへと変わっているだろう。
我は他によって生み出され、他によって育てられる。
他によって創られた我は、他を生み出し、他を育てる。
我とはそういうものなのではないだろうか・・・
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