第四六節 「引継ぎ」
今まで、先輩の背中を追い続けてきた。
苦しい時に手を差し伸べてくれ、嬉しい時は共に喜ぶことが出来た。
間違った時には、時には厳しく衝突し、時には優しく正してくれた。
試合に勝った時、負けた時関係なく一緒に酒を飲み切り替えさせてくれた。
足りないものを気付かせてくれ、優れている部分を褒めてくれた。
今まで、本当に甘えさせてくれた。
しかし、いつまでもそれではダメなのだ。
先輩たちがしてくれたことを、今度は自分が後輩たちにやっていくのだ。
背中で語り、時には厳しく、時には優しく心と心で対話する。
そこには、若さによるわがままを全て包み込んだ上で諭してくれる優しさがある。
間違った道を選択することなく、成功へ向かわせてくれる厳しさがある。
今すぐには絶対に出来ないだろう。
まだ、先輩が居てくれる今、少しずつゆっくりと着実に、そして出来るだけスピーディーにそうなって行こう。
ただ、若手が試合に出るだけが世代交代ではない。
気付かぬとも、先輩たちがしてきてくれたことを自分たちが引継ぎ、先輩たちを安心させてこそ本当の世代交代なのではないだろうか?
そうして、安心して足りない部分にだけ力を貸してくれる。
それが本当にあるべき姿なのだろう。
年齢も中堅を超えつつある今、誰かがやってくれるでは遅いのだ。
誰かが・・・と言う時期は過ぎた。
今からは自分がと思い続けなければならない。
その為には、弛まぬ努力と継続する力、苦しい時に諦めない強さと包み込める優しさが必要である。
今まで先輩たちが背負い続けてきた大きな荷物を代わりに背負い、降ろすことがないように大きな背中にして行こう。
本当の世代交代が出来るように・・・。
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